この記事のターゲット読者: 外部にソフトウェア開発・DX を依頼する側の経営者・事業責任者・現場マネージャー。技術用語は出てくるたびに噛み砕いて説明します。
なぜ「あの話どうなった?」が永遠に繰り返されるのか
外部に開発を依頼したことがある方なら、こんな経験はないでしょうか。
- 月1回の定例で「先週話した X、結局どうなりましたか?」と毎回聞いている
- 担当者が変わった瞬間、ゼロから業務説明をやり直すことになった
- 議事録は Word、タスクは Excel、やり取りは Slack で どこに何があるか分からない
- 「進捗報告書」が届くまで、現場が何をやっているのか分からない
これは担当者が悪いわけではありません。情報が複数の場所に分散している という構造的な問題です。
| ふつうの現場 | 情報の置き場所 |
|---|---|
| 議事録 | Google Docs / Notion / 紙 |
| やることリスト | Excel / Asana / Backlog |
| 設計資料 | 別フォルダ |
| 日々のやり取り | Slack / メール / 電話 |
| 実物のシステム | エンジニアの手元 |
結果として、誰かが「あの話どうなりましたか?」を聞き直し、誰かが資料を探しに行き、誰かが説明し直す——毎週同じ摩擦が発生 します。
Appspect は何が違うのか — ひと言で
私たち Appspect は、ヒアリングから納品まで全部 1 ヶ所に記録する だけです。それだけ。
その「1 ヶ所」として GitHub というサービスを使っています。
GitHub(ギットハブ)とは? ─ 元々はエンジニアがプログラムを保管するためのサービスですが、最近は「議事録」「やることリスト」「日々の決定事項」「実物のコード」をまとめて時系列で記録できる総合プロジェクト管理ツールとして使われるようになりました。私たちは GitHub を プロジェクトの履歴書 として使っています。
つまり、議事録もタスクもやり取りもコードも、全部 GitHub に集約します。
そして、これを 非エンジニアのお客様にも見やすく するために、弊社オリジナルのワークフロー補助ツール(GitHub プラグイン)を内製しています。実装の詳細は伏せますが、要するに「整理整頓を自動化する仕組み」です。
以下、これによって何が変わるのかを 3 つの視点 で説明します。
視点1: 議事録から実装まで、1 本の線でつながる
ミーティングをすると、必ず「次にやること」が出てきます。普通はこう流れます。
ミーティング
↓ 議事録を Word に書く
↓ やることを Excel に転記
↓ エンジニアにメールで依頼
↓ エンジニアが Backlog にチケットを切る
↓ コードを書く この転記の段階で、毎回 30% くらい情報が失われます。「ニュアンス」「言った人の温度感」「なぜそれが必要か」が、転記されるたびに削ぎ落とされていきます。
Appspect では、こうします。
ミーティング
↓ 議事録を1個の「議事録票」として GitHub に登録
↓ その議事録票の中に「やることリスト」を直接書く
↓ やること1個ごとに「子チケット」が自動でぶら下がる
↓ エンジニアが子チケットを開いて、その場で実装
↓ 実装が終わったら子チケットが自動で閉じる
↓ 議事録票のリストにチェックが自動でつく | 普通の運用 | Appspect の運用 |
|---|---|
| 議事録は別ファイル | 議事録 = 1 個の チケット(GitHub Issue) |
| やることは Excel に転記 | 議事録票の中に チェックリスト として直接記載 |
| 開発タスクは別管理 | やること1個ごとに 子チケット が自動でぶら下がる |
| 完了確認は手動消し込み | 開発が終わると 自動でチェック が入る |
ここで何が嬉しいか: 「3ヶ月前の打ち合わせで話した、あの予約フローの改善はどうなった?」と聞いた瞬間、その議事録票を開けば「やった/やってない/やってる最中」が一覧で見えます。探す時間がゼロになります。
そして何より、新しく参加するメンバーに対する効果が絶大 です。後から入った担当者は、議事録票を時系列で見ていくだけで「何が話され、何が決まり、何が形になったか」が再構築不要で把握できます。
視点2: 進捗は「聞く」ものではなく「見る」もの
ふつうの開発現場で進捗を確認する方法は、こうです。
- 週1回の定例ミーティングで報告を聞く
- 月1回のレポートを読む
- たまにエンジニアに「いまどうなってる?」と聞く
これだと、気になった瞬間に進捗を見ることができません。「あれどうなったかな」と思っても、次の定例まで待つしかない。
Appspect では、お客様専用の 進捗ダッシュボード(プロジェクトボード)をお渡しします。これも GitHub の機能を使っていますが、見た目はカンバン形式のシンプルなボードです。
┌─────────────┬──────────────┬─────────────┐
│ 未着手 │ 進行中 │ 完了 │
├─────────────┼──────────────┼─────────────┤
│ #62 通知設定 │ #58 ログイン │ #54 DB設計 │
│ #65 一覧改善 │ #60 デザイン │ #56 雛形 │
│ │ │ #57 認可 │
└─────────────┴──────────────┴─────────────┘ ご自身のスマホやパソコンから、いつでも見られます。「いま何が進行中で、誰がやっていて、何が完了したか」が一目で分かります。
ここで何が嬉しいか: お客様は「進捗を聞く」必要がなくなります。気になったら 見れば分かる。週次レポートを作る時間も、報告会で進捗を確認する時間も、ほぼ不要になります。「進捗確認会議」が「次に何を作るかの議論」に置き換わります。
視点3: すべての判断が、永久に残る
開発中には、いろんな判断が発生します。
- 「なぜこの設計を選んだのか」
- 「なぜこのライブラリ(部品)を使ったのか」
- 「なぜこの仕様にしたのか」
- 「なぜこの不具合をこの方法で直したのか」
これらは普通、Slack の流れの中や口頭の打ち合わせで決まり、3 ヶ月後には誰も覚えていません。担当者が交代したり、お客様側の窓口が変わったりすると、知識はゼロから再構築されます。
GitHub では、議事録・チケット・コードの修正履歴・PR(修正提案)に対する議論——全部が時系列で永久に残ります。
04/05 📝 議事録 #42 起票(キックオフMTG)
04/06 ✅ アクション #43-46 起票
04/08 💻 ログイン機能を実装(修正 abc123)
04/10 🔀 修正提案 #62 オープン(議論 6 件)
04/12 ✅ 修正提案 #62 マージ → やること #58 自動完了
04/15 💬 振り返り議事録 #47 起票 PR(プルリクエスト)とは? ─ エンジニアが書いた修正内容を「これでいいですか?」と確認・議論する仕組みです。普通の業界で言うと「修正案を回覧して承認を取る」のと同じ。違うのは、議論の経過がそのまま永久保存されることです。
ここで何が嬉しいか: 「半年前にこの機能を作った時、なぜ A 案ではなく B 案を選んだんだっけ?」という疑問が出ても、議論の経過を辿れば当時の判断理由がそのまま分かります。社内引き継ぎ資料を別途作る必要がなくなります。GitHub のリポジトリ(プロジェクト保管庫)そのものが完全な履歴書として機能するからです。
お客様にとってのメリットを 1 枚にまとめると
「全部 GitHub に集約」と聞くと、技術者向けの仕組みに思えるかもしれません。最終的にメリットを受けるのは、ほとんどの場合、非技術者であるお客様の側です。
| お悩み | この仕組みでどうなるか |
|---|---|
| 進捗が見えない | ダッシュボードで いつでも・自分のタイミングで 確認可能 |
| 「あの話どうなった?」が無くなる | 議事録票から紐付いたやることへ 1 クリックで辿れる |
| 担当者交代が怖い | お互いの人員変更でもナレッジ継承不要、履歴がすべて残っている |
| 半年後に経緯を知りたい | 当時の議論・判断が永久保存、改修時の判断材料になる |
| 認識ズレが心配 | テキストとして残るので 解釈の揺れが小さい |
| 引き継ぎ資料を作る手間 | リポジトリ自体が引き継ぎ資料、別途作成不要 |
まとめと、次のステップ
Appspect では以下のサイクルで開発を回しています。
- 打ち合わせをする → 議事録票を 1 つ起票
- やることを書く → 議事録票の中にチェックリストを書く
- 開発する → やること 1 個ごとの子チケットを進める
- 完成する → 自動でチェックがつき、議事録票も自動更新
- 振り返る → 振り返り議事録票を新しく起票
これらすべてを、弊社オリジナルのワークフロープラグインが裏側で支えています。プラグインの実装詳細は今回は割愛しますが、興味のある方は別途お問い合わせください。
ヒント: この仕組みは、受託開発でもマージンシェアプランでも同様に適用 されます。プラン体系の詳細は 料金ページ をご覧ください。
「進捗が見えないコンサル」の時代は、もう終わっていいはずです。透明な開発プロセスで、一緒に事業を作りませんか。
ご相談・お見積もりは無料です。 お気軽にお問い合わせください 。